故事成語5

鼎の軽重を問う

 

【意味】
権力者や権威者などの実力や能力を疑うこと。またそのことから、その地位を覆そうとすることのたとえ。
【由来】
 前記の荘王の時、楚(そ)はさらに国力を充実させた。楚は南方の国だが、その勢力は中華(中国のなかでも中央に位置する部分)の諸国をおびやかすまでとなった。

 そんな時、荘王は突如、周王がいる都がある洛陽(らくよう)の近くに兵を並べた。時の周王である定王は驚き、楚に使者を送った。その使者に対して、荘王は「九鼎(きゅうてい)(王室が保持する宝器)の大小、軽重はいかなるものか」と聞いた。九鼎は天下の主の印であるから、このことは王位を譲るように周王に脅迫したことになる。

 このことから権力者などの実力を試すことを「鼎の軽重を問う」という。結局この後荘王は周をおびやかしただけで帰国した。

【豆知識】
中国語でも「問鼎」と言う言葉があり、トップをねらうと言う意味がある。

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