7、狭衣物語について

 

この作品は、「源氏物語」に追随した物語で、全4巻から成っていて、平安時代の後期に書かれたものです。話の内容を説明すると、主人公狭衣の中将の時代から11年にわたる半生を描いたもので、狭衣が大将に昇進し、やがては帝位につくまでのことを叙述し、数人の女性との愛のままならぬ姿を取り扱っています。
「源氏物語」の影響を色濃く受けたこの作品は、冒頭の一節をはじめとして、技巧を駆使した文章で知られ、中世にかけてよく読まれた作品であるといいます。
作者は、六条斎院に仕えた宣旨という女房であろうといわれています。異本の多いことでも著名な作品ということで、今後も研究されるべき問題が多いようです。

 

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