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孔子の思想の継承者達@

孟子

 

 孔子の思想の継承者として真っ先に挙げられるのは、この孟子(もうし)である。彼は孔子の約100年後の人物であるので、当然本人ではなく、その孫、子思の門人に学んだ。20歳の頃からといわれる。孔子の教えをさらに深め、世に広めたという意味で、彼が儒教の発展に与えた影響はとても大きい。
 彼は幼い頃、「孟母三遷(もうぼさんせん)の教え」を受けたと伝えられる。孟母とは孟子の母のことだ。孟子が幼少の頃、墓場の近くに住んでいたところ、孟子は葬儀の真似をした。そこで市場の横に引っ越したが、今度は商人の真似をした。それではと、学校の横に引っ越し、祭祀の真似をして初めて母は安心したという。また、「孟母断機(もうぼだんき)」という言葉もある。孟子が学業途中で帰省したところ、母は織りかけの織物を断ちきり、「中途退学は、私が生業とする織物を途中で断ちきるようなものだ」と戒めたという話だ。両者とも事実であることはまずあり得ないといってよいようであるが、これは「環境は人間にとって大切」ということを示す話として生まれた伝説であるのであろう。
 さて、孟子で何よりも大切なのは、かの名高い「性善説(せいぜんせつ)」である。人間の本性は善である、とするものだ。これを説得する際に、孟子は非常に有名な例えをしている。それは以下のようなものだ。

 『例えば、赤子がまさに井戸に落ちんとするのを見たならば、誰でも走って行って、これを救おうとする。これは自分が危うきを救ったという名誉を得たという考えではない。これを機会に赤子の父母と交際を求めようという考えでもない。また他人から救わなかったことを非難されるのを心配してからでもない。つまりその真心が発して救ったのである。』

 では、性が善の人間が悪事をなすのはなぜか。答えは「環境」にあるという。彼はその例として、凶作の年に不良少年が多くなるという現象を挙げている。彼らは経済的条件さえ改善されれば、このような悪を犯さないはずである、というのだ。「孟母三遷」もこのことを強調するたに生まれた伝説であろう。

 これらを説く書物『孟子』は四書の一つに数えられている。そして性善説は永く儒教の正統説として維持されることになるのである。