私の好きな武将 NO.3

簡雍憲和

 

 簡雍と聞いてピンと来る人はあまりいないだろうが、劉備(りゅうび)の名前は三国志を知っている人なら誰でも知っているだろう。簡雍は、その劉備が旗揚げした時から付き従っている、関羽、張飛の次に偉いかもしれない(?!)武将なのである。
 彼には弁舌の才があり、劉備が益州入りした時に劉璋(りゅうしょう)への使者に立ち、劉璋を降伏させたりしている。
 簡雍はのびのびした態度でみごとな論をなしたが、性格は傲慢・無頓着で、劉備の前でも足を投げ出して座りだらしのない格好をして、心のままにふるまっていたという。
 有名なのは彼の機智である。(よく考えれば凄い奇行だということが分かる)
 あるとき、酒が禁止され、醸造(じょうぞう)したものは刑罰に処せられたことがあった。役人がある家を捜索して醸造用の道具を没収し、裁判官は酒を作った者と同罪にしようとした。簡雍は劉備と散策に出た折、一組の男女が道を行くのを見て、「あの者たちは淫らな行為をするつもりです。どうして捕縛なさらないのですか」と言った。劉備がなんでそれが分かったのかと尋ねると、簡雍は、「彼らはその道具を持っています。醸造するつもりの者と同じです」と答えた。劉備は大笑いして、醸造しようとした者を許した。
 劉備陣営の中でも独特の人柄があった彼のキャラクターは、他に類を見ない。私はこんな彼に魅力を感じる。