私の好きな武将 NO.2

禰衡正平

 

 あの天下の曹操を痛烈に罵った、まさに天下の奇人。偉人とも異人とも形容できるかも知れない。あの孔融(こうゆう)(孔子の子孫)とも付き合いがあったらしい。

 曹操に招かれた彼は、曹操ご自慢の配下を「能無し」と一蹴し、次のように述べた。

「殿のお言葉とも思えませぬな。その者どもはそれがしよく存じておりますが、荀ケ(じゅんいく)は見舞弔問の使者によく、荀攸(じゅんゆう)は墓守りによく、程c(ていいく)は門番に良く、郭嘉(かくか)は文章の読み役によく、張遼(ちょうりょう)は陣太鼓を打たせるによく、許?(きょちょ)は牛馬の番人によく、楽進(がくしん)は書面・詔の読み役によく、李典(りてん)は飛脚が適役、呂虔(りょけん)は刀鍛冶でもやらせればよく、満寵(まんちょう)は酒のかすでも喰らわせておくによく、于禁(うきん)は左官屋、徐晃(じょこう)は豚殺しでもやらせておくによい男。夏侯惇(かこうとん)は『己が大事将軍』、曹子孝(そうしこう)は『銭とり太守』とでも申そうか、いやはやどれもこれも衣桁か飯袋、酒桶か肉袋が如き代物ばかりにござる」
 自慢の配下を完全に馬鹿にされ、怒った曹操は彼に宴席で太鼓をたたくよう命じる。すると禰衡は裸になって太鼓をたたきだす。一同唖然とする中、さらに禰衡は曹操やその配下を散々罵り、荊州へと立ってゆく。

 だが、舌は災いの元。禰衡も毒舌が災いして黄祖(こうそ)に殺された。

 うーん。でも曹操への罵声は見事の一言。登場期間は短いが、強烈なインパクトを与えている。ちなみに『三国志[』では彼の武将評が聞けるので、おためしあれ。