1、長坂坡の戦い

 

曹操に単身で太刀打ちできないと悟った劉備たちは、新野城(しんやじょう)を焼き南に逃れた。しかし、劉備を慕ってついてきた一般人が多くいたため行軍のスピードが遅く、ある夜ついに長坂というところで、曹操軍に追いつかれた。

 

ここで、張飛(ちょうひ)と趙雲(ちょううん)が大活躍をする。(*注、関羽(かんう)はこのときかねてから劉備らと親しかった、劉表の長男の劉gに援軍を頼みに行っていたためにいなかった。いれば活躍してたろうに・・・)
まずは趙雲である。
趙雲は、突然の敵を相手に戦っているうちに劉備から託された阿斗(あと)(後の劉禅(りゅうぜん))と糜夫人(びふじん)(糜竺(びじく)の妹)を見失ってしまい、二人を探すために一人で何十万もの曹軍に突っ込む。途中、夏侯惇(かこうとん)の弟の夏侯恩(かこうおん)を討ち、彼が持っていた青スの剣を奪う。そしてついに二人を見つける。趙雲は、怪我をしている糜夫人と阿斗を自分の馬に乗せて逃げようとするが、糜夫人は、自分は足手まといになるといって自殺してしまう。仕方がないので、趙雲は阿斗を抱き、馬に乗ってただ一騎で曹軍を突破する。このとき、趙雲の働きに感心した曹操が、「趙雲捕獲作戦」を決行するが失敗する。満身創痍の状態になって戻ってきた趙雲を見た劉備は、趙雲から受け取った阿斗を自軍の兵士に向かって投げつけ、趙雲に無茶させたことを謝る。(ここが、劉備の大きな特徴ですね)
お次は張飛である。
張飛は、敵が出現するとすぐに劉備を連れ出して長坂橋まで送り、自らは長坂橋の上にひとりで残った、ように見せかけた。(実際は後ろに数十人の伏兵がいて、たくさんいるように見せかけていた。)曹軍の兵士を次々になぎ倒していく。そして、何十万もの曹軍を大喝した。するとみな張飛を恐れ、近づかなくなった。曹操が現れたが、何人いるか分からない後ろの伏兵を恐れ、素直に引き上げた。曹操たちがいなくなった後、張飛は長坂橋を焼き、すぐに劉備に追いついた。

 

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