6、縦横家 蘇秦と張儀

 

 蘇秦と張儀は若い頃、鬼谷子(きこくし)という先生のもとで謀略や外交を学び、のちに縦横家(しょうおうか)としてその名を天下に轟かせた。
 蘇秦は秦に対抗すべく合従策を秦以外の六国に説き連合して秦にあたろうとしたが秦も張儀の連衡策を採用し、六国の縦の連携を妨害した。合従と連衡とは火花を散らし、また虚々実々のうちに攻防を繰り広げたのである。張儀は秦の恵文王の絶対的な信任を得て楚を切り崩し、秦の覇業に多いに貢献した。
 縦横家は自分の謀略をフルに用いて戦国の世をかき混ぜ、まとめあげていった人々であり、こうした時代にしか現れない一種の芸術家と言えるかもしれない。