5、法家思想

 

 法家思想の始まりは、斉の桓公の宰相であった管仲であるとされている。彼は富国強兵策を講じ、行政区画制度を整えて国の生産力を向上させた。
 次いで戦国時代、秦の宰相となった公孫鞅(こうそんおう)は管仲にならって富国強兵を推進し、また五人組制度にあるような徹底した厳罰主義をしいた。
 そして、法家思想を完成させたのは韓非(かんび)だと言われている。彼は荀子の性悪説に基づいて、全ての人は利己的打算によって動くので、そのような人々を治めるのには法が必要である、と説いた。そして法を円滑に施行するために君主の絶対制を主張した。始皇帝は彼の考えを称賛し、秦の天下統一ののち彼は法によって中華を治めたのである。